7/19~23まで、東京芸術劇場にて津田貞子(静鳳)さん(15回生)が主宰する静山書会展が開かれました。
先生の作品と若々しい先生のお姿を紹介いたしますと共に、津田先生の回顧録を掲載いたします。
回顧録
津田(北村)貞子
私が書(当時は習字)を習い始めたのは、小学校ニ年生でした。放課後、井出清文先生が教えて下さり、四年生の夏休みは返上して学校で猛特訓を受け、その年「高原の千草」を書いて県展に入選した喜びは、今も記憶に残っています。その後岡川桂城先生に習い、染谷に入ってからは、芸術の選択で書道の授業を丸山清先生に受け、一年生の時、新潟大学の席上揮毫で特選をもらい、当時初めて賞品に貰った綺麗な硯セットは忘れられません!
卒業後、上京して書の勉強のブランクは少しありましたが、やはり離れると習いたくなり、何人かの先生に就きながら、最終的には大阪教育大学名誉教授の狩田巻山先生の指導で、書の習い方が大きく変わりました。公務員を続けながら、書も自宅と他に教室も持ち、40代前半で文部省の書写検定試験を受け、文部大臣賞をもらいました。その後共著で「かな墨場必携」を4冊、以後単行本で「かな交じり書」「一度は書いてみたい筆の手紙」「一度は書いてみたい百人一首」「徒然草を書く」を上梓、昨年は「源氏物語を書く」を仕上げる事ができました。
今回、四回目の社中展を池袋の東京芸術劇場で開き、全作品(50点余り)の軸とパネルを着物地で表装して、来館の皆さんに喜んで頂けた事は望外の喜びでした。私自身もパネル四枚仕立ての古今和歌集仮名序の「やまと歌は人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれりける」を長年書きたかったもので、仕上げられて満足でした!
15回卒業の私は、来年は傘寿を迎えますが、書を中心に生きて来られたことは、とても幸せで、その様に導いて下さった師、友人、家族のお蔭だったと感謝して、これからも生ある 限り続けて参りたいと思っております。